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-----名探偵ゲーデル先生のところに、赤い紙をにぎりしめ何やら深刻めいた顔をした助手のカンパネルラ君がやってきました。
- カンパネルラ
- ゲーデル先生、長いことお世話になりました。
- ゲーデル
- うん、バイバイ。
- カンパネルラ
- 長いつきあいなのに、他にいうことはないんですか(怒)。
- ゲーデル
- ごめんごめん。投資信託に大枚つっこんで貯金をなくしてしまった若者みたいな顔して(それだったらまだ似非マルチ商法のサイドビジネスでもしといた方がマシだったね)、よっぽど困ったことがあったみたいだね。でもサラ金から内容証明が送られてきたくらいで自殺まですることはないよ。
- カンパネルラ
- 違います。ぼくにもとうとう国家からボランティアの召集令状が来てしまったのです。ゲーデル探偵事務所でお茶くみもせず、ひねもすのたりのたりできるのも、今日限りです。
- ゲーデル
- 召集令状って、君は相変わらずコトバを知らないね。「ボランティア」というのは、元々「志願兵」のことを言うんだよ。
- カンパネルラ
- まちがえました。「奉仕活動」です。でも、ボランティアって自発的な奴隷労働みたいなものなんですか?
- ゲーデル
- 全然まちがえてるよ。
- カンパネルラ
- でもですね、ボランティアが「自発的な奉仕活動」なのだとしたら、「義務づけられた奉仕活動」はその対極にあるんじゃありませんか。
- ゲーデル
- どうしてそれが奴隷労働なんだい?
- カンパネルラ
- 奉仕活動って、私(わたくし)を滅して番頭さんにどつかれたりして無理矢理働かされることじゃないんですか?
- ゲーデル
- なんだか、奉公と奉仕活動が混ざってるみたいだね。しかも滅私奉公と丁稚奉公が混線してる。
- カンパネルラ
- ああ、人に話すとすっきりしました。なんだか頭の中が整理された感じです。
- ゲーデル
- しかし、君の今の話もあながちデタラメではない。
- カンパネルラ
- そんな馬鹿な!
- ゲーデル
- 馬鹿なものか。だいたいボランティアには労災が効かないんだよ。
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